三島神社(氷沢の風穴)

 

観音三島神社本殿後方50mほど上がったところに「風穴」があります。 蚕を飼育するとき蚕種(さんしゅ)を自然のままにしておくと、春先一斉に孵化(ふか)し夏蚕(なつご)秋蚕(あきご)を飼育することができません。
そこで工夫されたことは孵化を抑制するための「風穴」です。
蚕種を低い温度で保存しておいて、夏蚕・秋蚕の掃き立ての必要に応じ蚕種を孵化させるために「風穴」が造られました。
風穴は縦7.4m、横2.9m、高さ3.6mの石垣を積み上げた竪穴で、石段がついています。 夏、地上の気温が30℃の日に穴の中は5℃、積み石の間から3℃の冷風が吹き出しています。正に天然の冷蔵庫です。
当時、蚕種業者「種屋」は塩田平に357軒あり、多くの種屋がこの風穴を利用しました。